水環境事業3ヵ年(平成14年度〜16年度)のビジョン

1 事業趣旨

  安達地方には,以前より地域の人々に親しまれてきた名水が数多くあり,水生生物を中心とした生態系も豊かであった。これは生活環境の指標としては恵まれた環境であることを示していたわけであるが,近年,生活環境の近代化に伴い,目に見えて水環境の悪化が指摘されるようになった。

  今までも,以前の恵まれた生活環境を取り戻したり,今以上に環境が悪化することを阻止するために,多くの組織や機関が,それぞれの立場・考えで様々な取り組みがなされてきているが,問題解決には至らないのが実情である。

 環境問題の解決には,まず第一に,科学技術や行政指導だけでなく,そこに住む一人ひとりの住民が環境をどのように考え,その環境のためにどのように行動するかが重要である。つまり,一人ひとりの意識の問題を避けて通ることはできないのである。
 第二に,今までは,それぞれの組織や機関の取り組みに共通性は見られても,統一性は少なかった。これからはそれぞれの組織や機関が環境をマクロにとらえ,連携して実践していくことが重要であるということである。

  ここに,安達地方の環境問題の解決のために,この「住民の意識」と「組織・機関の連携」が必要であるとの観点を重視するとともに,長期的な取り組みとしては,大人としての住民一人一人の意識を変えることと,家庭教育,学校教育を通して,小さい頃から「環境保全」に対する意識を高めるという施策が必要であることを確認したい。その上で,以後3カ年を通して,環境の中でも,生物の生活圏の基盤とも言える「水」に視点をあて,教育,地域,行政の横の連携を密にしながら,「環境保全」に向けた取り組みを推進し,安達地方の「豊かな環境」「住みよい環境」を後世に残すための総合的な試みとして本事業を推進するものである。

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2 事業組織

 (1) 本事業を推進する母体として,「安達地方水環境保全事業実行委員会」を設立する。

   実行委員は,学校関係(教委,校長会,PTA連合会),市町村環境担当課,婦人連合会,法人会(青年部会,婦人部会)及び広域行政組合事務局長を持って構成する。

   会長は,安達地方教育委員会教育長協議会長をもってあて,事務局は,広域行政組合内に置く。

 (2) 本事業の具体的な活動内容について調整を図るため,実行委員長の下に「安達地方水環境保全事業専門委員会」を設け,実行委員長の要請に基づき招集することができる。委員は審議内容に基づき会長が指名,審議内容による臨時部会として機能させる。

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3 事業予算

 (1)「生き生きとした阿武隈の里づくり事業」

福島県阿武隈地域総合開発推進協議会が「阿武隈地域総合開発基本計画」として推進するものに,「生き生きとした阿武隈の里づくり事業」と「多様な交流による地域づくり」があげられている。

そのうち,「生き生きとした阿武隈の里づくり事業」の事業例として,「広域的な地域活性化のための調査研究事業」があげられ,「行政区分を超えて連携し,個性的で魅力ある地域づくりの促進に寄与する事業」などが紹介された。

  この事業の趣旨に添った活動として,「安達地方水環境保全事業」に対し,補助金を受けることになっている。

  (2)「第四次安達地方ふるさと市町村圏計画」(平成13年3月策定)

  第四次安達地方ふるさと市町村圏計画に示された施策目標に「自然と共生する環境圏づくり」が明記され,住民の協力や参加と,広域的な連携による環境保全が謳われている。それを受けて「環境ネットワークプロジェクト」で「健全な水循環の確保」が明記されいる。

  (3) 本事業は,(1)(2)の補助金を持って運営するものである。

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 事業内容

      事業趣旨を受けて,各年度では下記の事業内容を推進する。

  (1)  平成14年度(第一年次)事業内容

@  本事業推進の母体として,水環境保全事業実行委員会を立ち上げ,各市町村及び各団体等との共通理解を図り,今後の事業内容について定期的に連絡調整を行う。

A 各市町村の実態に応じ,小学生を対象とした「水生生物」の調査を行い,子どもたちが「水環境」に関心を持つようにするとともに,「環境保全」への意識付けを図る。
  また,調査を通して獲得した子どもなりの知識,または環境保全への意識の高まりについては,簡単な発表の場を提供し,安達地方全域の子どもたちが活動しているという連帯感を持たせる。

B  子どもたちの水環境調査に必要な情報・資料は,事務局が提供する。

C  水の環境調査に必要な技能・知識について,指導者を対象に専門家による講習会を実施する。対象は,小学生の指導に携わる理科担当教師を中心とする。

D  水環境に関連する内容のミュージカルを上演し,啓発を図る。

E  家庭内での身近な環境問題への取り組みについての計画を策定する。今後の取組について内容を検討するにあたり,意識調査等を通して実態把握に努める。

 (2) 平成15年度(第二年次)事業内容

@ 第一年次の小学生水生生物調査活動の成果をもとに,各学校または各市町村単位の調査活動の範囲を見直し,「水辺の環境」を総合的に理解するよう努める。

A 各学校においては,調査活動の他に,子どもたちの意識化を図るための情報提供に努め,「環境教育」の一貫として,環境を総合的にとらえられるようにする。
 また,子どもたちの環境に対する意識の変化を重視し,調べてみたい事項や知りたい事項について発展的に取り組むための計画を策定する。

B 家庭での取り組み内容をまとめ,圏域住民への啓発活動を行う。
 特に「排水とゴミ」については,優先した取り組みを行い,提言として圏域住民に提供する。

 また,子どもたちの調査活動との関連で,保護者への啓発を継続する。

C 各市町村別に調査結果を整理し,地域住民への啓発資料となるようにする。
  また,安達地方としてのとりまとめを行い,その成果を全校に配布し,各校の水環境との比較を通して,「環境問題」への意識付けを図る。


 (3) 平成16年度(第三年次)事業…当該年度方針

@ 子どもたちの興味関心を重視しながら環境調査活動を継続する。その場合の調査対象環境は、「水環境」にこだわらず、「生活の場としての環境」になることが予想されるが、子どもたちの意識を優先したい。

A 2年次までの研究の成果から発展し、水環境の浄化に対する取組を実践する。

B 小学生及び各種団体における成果をまとめるとともに、圏域住民への発表の場を確保する。

C 環境に対する認識を深めるために、小学生より環境問題に関する作文を募集し、発表させる。

D 3カ年集約(まとめ)としての成果及び事業の経過については、冊子でまとめるとともにCD-ROM化(ホームページ掲載)し、関係団体へ配布また、電子媒体でネット上で発信することにより以後の継続的な取り組みの一助としたい。

 (4) 平成17年度以降に期待したい活動

   環境保全活動は,本事業年度とともに終わるものではなく,継続されるべきものである。学校教育では,「環境教育」として継続はされるが,各校独自のものになり,圏域内の小学校との連携や情報交換は難しいものになる。

    各種団体においても,単独事業での運動となってしまい,小学校と同じ問題を抱えることになる。

この問題を解決するには,本来,スムーズな連携を図るための機関が必要であるが,新たな機関を設立することは経済的にも難しく,むしろ各市町村の関連組織・機関の連携がその役目を果たすことになると思われる。(例 教委間の連携,校長会としての連携など)

「環境」という視点から各市町村のホームページに情報を掲示し,いつでも誰でもが情報を得られるようにしたり,安達地方としてのホームページを開設することで大きな成果が得られるものであろう。

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